ココロに傷をもつ、優しいあなたへ。
あなたは、NHK朝の連続テレビ小説「おちょやん」を観ていますか?
とうとう、千代のだらしないけれど憎み切れない父、テルヲが亡くなってしまいました…
演じるトータス松本さんの演技が圧巻で、名シーンになったのではないでしょうか。
さて、今日は、そのテルヲの心理について考えてみたいと思います。
朝ドラ「おちょやん」ストーリー
明治の末、大阪の南河内の貧しい家に生まれた竹井千代は、学校へも通わせてもらえず、弟の世話や家の仕事に明け暮れた。幼くして母を亡くし、父が家に連れてきた女と折り合いが付かず、9歳で道頓堀の芝居茶屋に女中方向に出される。父のテルヲはお金がないのに酒を飲み、ギャンブルで多額の借金を作ったり、女遊びをしたり…。どうしようもない人。華やかな芝居の世界に魅了された千代は、女優を目指すことに。鶴亀家庭劇に参加し、喜劇女優として成長していく。
テルヲの心
テルヲが亡くなる前に千代に言ったこと、
~俺とサヤ(千代の母)に生まれてきてくれてありがとう。
かわいかったで。ホンマにかんにんやで。~
留置所で、千代に振り絞るように愛を伝えた。
(※テルヲの借金取りが千代からお金を取ろうとしていたところ、テルヲが病の体を張って闘い、留置所に入っていた。)
テルヲは妻を早くに失くし、助けてやれなかった罪悪感や無力感にさいなまれていたのかと私は思いました。
酒やギャンブル、借金や女遊び…と子どもたちに迷惑をかけ、しまいには千代を追い出してしまう。おそらく、毒である自分の近くにいては不幸にしてしまう心理もあったと思われる。
一方、千代の弟ヨシヲについては、さらっと触れた程度に終わった。
妻の代わりに家庭をやりくりしてきてくれた千代に、妻の姿を投影し、妻に対し謝り続けている、死後何年たっても罪悪感を抱き続けていたのかとうかがわせる。
愛があるから罪悪感をもつのだし、テルヲは愛の人だったと私は思う。
しかし、周りの人には分かりにくい。
テルヲは自分の死期を察し、千代の周りの人たちに「千代をよろしく。」と頭を下げて回っていたことが、テルヲの死後に分かる。
人の心は、愛があるゆえに傷付く。
その傷がまたさらに周りの人を傷つけて。
伝わりにくさゆえに千代に伝わったのはやっと死の直前。
伝えられたテルヲは最期は幸せだったのかもしないなと思いました。
留置所でひとりで亡くなりましたがね。
後記
私の師匠に聞いたことがあったのです。
心理学を学ぶのにいい本があったら教えてほしいと。
本も教えて下さったのですが、「小説やドラマ、映画などからも学べますよ。」とも教えてくれました。
そんなことを意識していたのか、それからはこの朝ドラがいい例ですが、ドラマを観ながら心理的な潜在的な理由は何だろうと考えたり、浮かんでくるようになりました。
観ているうちに、自分にも重なる部分もあり、学びが深くなっていくのを感じました。
自分の悩みに向き合い続けるのって、つらいことがありませんか?
それでも、頭に浮かんできてしまう。
自分のことになるとしんどくなるので、登場人物を通して学ぶのもありかなと私は思います。
明日、あなたが見える景色が
美しいものでありますように🍀